前回の『「日本人の食事摂取基準(2020年版)」におけるたんぱく質に関する記述の要点』に引き続いて、今回は同基準に基づく私のたんぱく質の摂取量と摂取源としている主な食品等について書きます。
たんぱく質の食事摂取基準
前回の生命と健康に必要な蛋白質とアミノ酸 1で書きましたたんぱく質の各摂取基準(指標)を私(68歳、体重50〜51kg、身体活動レベルⅢ)に当てはめたものを下記の表にまとめました。
この表から一目瞭然のとおり、最少の推定平均必要量(50g)と最大の目標量:表8 身体活動レベル別に見たたんぱく質の目標量の上限値(138g)とは3倍近い差があります。
これらの中で、推定平均必要量(50g)は、標準的な人でも50%の者が必要量を満たさないと定義されてい指標なので、身体活動レベルがⅢに相当する私の場合、ほぼ確実に不足すると考えています。
また、目標量:表8 身体活動レベル別に見たたんぱく質の目標量の上限値(138g)は、体格(体重)から判断しても、また、実際にこれに相当するたんぱく質を摂取していた時には健康診断における腎機能の数値が悪化していたので、ほぼ確実に過剰摂取になると考えています。
指 標 | 摂取量 (g/日) | 計算式 |
---|---|---|
推定平均必要量 | 50 | |
推奨量 | 60 | |
目標量:体重当たりの推定エネルギー必要量から計算 | 80〜106 | 2,126×0.15÷4=80/2,126×0.2÷4=106 |
目標量:実際のエネルギー摂取量(2,700kcal)から計算 | 101〜135 | 2,700×0.15÷4=101/2,700×0.2÷4=135 |
目標量:表8 身体活動レベル別に見たたんぱく質の目標量 | 103~138 |
推定平均必要量
推奨量
目標量:体重当たりの推定エネルギー必要量から計算
目標量:実際のエネルギー摂取量(2,700kcal)から計算
目標量:表8 身体活動レベル別に見たたんぱく質の目標量
たんぱく質摂取量の経緯と現状
2022年4月(再々就職先の退職後)から2024年春頃までのたんぱく質摂取量
二度目の人生における本気の生活習慣の改善 3〜2022年4月(再々就職先の退職後)から2024年春頃までの完全自炊による更なる食生活の改善で書きましたとおり、再々就職先を退職後、完全自炊を始めてから、「日本人の食事摂取基準」に準拠しながら、糖質や脂質は過剰にならないよう少なめにする一方で、たんぱく質、ビタミン、ミネラルは不足しないように多めにと大雑把な計算ではありましたが、毎日、摂取する各栄養素を管理するようになりました。
同上 4〜健康診断における腎機能の悪化についての蛋白質の過剰摂取についてで書きましたとおり、本年(2024年)春頃、改めて、食べている食材を全てNumbersで細かく計算した結果、2年間、120〜150g/日の蛋白質摂取し続けていたことが分かりました。
120〜150g/日という量は、前述した表 8 身体活動レベル別に見たたんぱく質の目標量の103〜138g/日を若干上まる程度の量ですが、これが健康診断における腎機能の数値が悪化した原因であることはほぼ間違いなく、明らかに過剰摂取を続けてきたと考えています。
2024年春頃から現在(2024年12月)までのたんぱく質摂取量
たんぱく質の過剰摂取が判明して以降、エネルギーと蛋白質、脂質、炭水化物、ビタミン、ミネラルの5大栄養素について、通常の食事をしていれば一般的に不足することはないとされている一部のビタミンとミネラルを除く全ての栄養素の摂取量について、各食品に記載されている含有量と「食品成分データベース」の検索結果をNumbersで計算することにより、蛋白質の摂取量を減らす一方、他の栄養素の摂取量は出来るだけ減らさないよう詳細な管理をしてきました。
その際、一番悩んだのは、前述したとおり「日本人の食事摂取基準(2020年版)」で示されている基準(指標)は最少の50gから最大の138gとは3倍近い差があり、私にとっての適量のたんぱく質摂取量がどの程度なのか分からないことでした。
減らしすぎてサルコペニアやフレイルになるのは嫌だし、過剰摂取を続けて腎機能を悪化させたくもないと、ネット上で様々な情報を読み漁った結果、「目標量:体重当たりの推定エネルギー必要量から計算」の下限である80g/日程度が一番良いのではないかと考えました。
しかしながら、たんぱく質の摂取量を80g/日まで減らすと、タンパク質の摂取源としている食品に含まれているビタミンやミネラルといった栄養素の摂取量も減らすこととなり、それらの一部が摂取基準ギリギリになりそうなので、今年の健康診断までは、同目標量の下限80g/日と上限106g/日の中間程度の95g/日程度にしようと決め、現在までこの程度のたんぱく質を摂取しています。
本年(2024年)の健康診断における腎機能に関する検査結果
本年(2024年)の健康診断における腎機能に関する検査結果では、尿蛋白が(±)となり少々気にはなっていますが、最も懸念していたクレアチニンとeGFRは、それぞれ、昨年の0.89mg/dlから0.80mg/dlにと、65.9ml/分/1.73㎡から73.8ml/分/1.73㎡にと改善していました。
この結果からは、95g/日程度のたんぱく質の摂取量であれば、少なくとも腎機能を急激に悪化させるような過剰摂取ではないと考えています。
たんぱく質の摂取不足の可能性
たんぱく質が不足した時の症状として、サルコペニアやフレイル、免疫力の低下、ホルモンの分泌量の低下、皮膚の老化等が挙げられています。
私の脹脛(ふくらはぎ)の周囲長は昨年より若干長くなっており、また、見た目ですが上腕筋も若干増えていて、筋肉量は昨年より若干増加しているのでサルコペニアやフレイルの心配は全く無く、また、免疫力等に関しても問題が無いようです。
皮脂やコレステロールから産生されるホルモンの分泌量が減少したように感じてはいますが、それ以外には体調に全く問題無いので、これらはたんぱく質の摂取不足ではなく体脂肪の減少が原因だと考えています。
以上のことから、95g/日程度のたんぱく質を摂取していれば不足はしてないものと考えています。
たんぱく質の主要な摂取源
多様な食品をバランス良く
生命と健康に必要な栄養素や機能性成分を出来るだけ多く含み、かつ、命と健康に悪い成分が出来るだけ少ない多様な食品をバランス良く食べるよう心がけています。
その結果として、全たんぱく質摂取量約95g中、たんぱく質の摂取源上位10食品から摂取しているたんぱく質が69%(66g)であるのに対して、11位から20位の食品からの摂取量が24%(23g)とそこそこの量を占めているとおり多様な食品からたんぱく質を摂取しています。
また、植物性たんぱく質7割(68%、65g)、動物性たんぱく質3割(32%、30g)となっています。
主なたんぱく質の摂取源としている食品(上位20食品)
実際の1日における食品の種類は日によって変動しますがこれらの食品の多くはほぼ毎日食べているものです。
「干し芋/むき甘栗」と「舞茸/榎茸/ブナシメジ等」は毎日、「鶏胸肉/鮭/鯖缶/鰯缶等」と「韃靼入十割蕎麦/十割蕎麦」は週に2〜3回、その日によって何かを食べています。
それぞれの摂取量も日によって変動しますので1日当たりの概算的な平均摂取量です。
食品 | 鶏胸肉/鮭/鯖缶/鰯缶等 | 豆乳 | 鶏卵 | 納豆 | ブロッコリー | オートミール | 縮緬雑魚(しらす干し) | ナッツ類 | 黒胡麻 | オカラクッキー |
食品摂取量(g) | 200 | 64 | 40 | 124 | 40 | 35 | 30 | 20 | 35 | |
たんぱく質摂取量(g) | 13.5 | 8.4 | 7.8 | 7.1 | 6.7 | 5.5 | 4.7 | 4.7 | 4.0 | 3.9 |
食品 | ヨーグルト(牛乳原料無脂肪無糖) | 酒粕 | 韃靼入十割蕎麦/十割蕎麦 | 濃縮野菜ジュース | ハイカカオチョコレート | 干し芋/むき甘栗 | 十種穀物ご飯(パックご飯) | バナナ | 味噌 | 舞茸/榎茸/ブナシメジ等 |
食品摂取量(g) | 100 | 20 | 180 | 15 | 75 | 170 | 19 | |||
たんぱく質摂取量(g) | 3.9 | 3.0 | 2.9 | 2.2 | 2.1 | 1.9 | 1.8 | 1.8 | 1.8 | 1.7 |
今後のタンパク質摂取量の管理
前述したとおり、95g/日程度という現在のたんぱく質摂取量は概ね適量と言える範囲には入っているものと考えています。
しかしながら、二度目の人生における八歳の健康診断結果 1 腎機能の「今後の腎機能の維持」で書きましたとおり、腎機能を含む健康にとって蛋白質の過剰摂取は良くないので不足しない範囲で摂取量を減らしたいと考えています。
一方、蛋白質の摂取量を減らすために、単純に蛋白質を豊富に含む食品を現状以上に減らすと、それらの食品に含まれているビタミンやミネラルの摂取量も同時に減らすこととなり、そうしたビタミンやミネラルを補うために炭水化物や脂質を多く含む食品を増やすと別の問題を生じることになります。
また、蛋白質を多く含む食品を減らし、それによって減少するビタミンやミネラルをサプリメントで補うというのは、常食している健康的な食品の栄養素と機能性成分 26の「サプリメントの摂取に関する基本的考え方」で書いた理由により選択肢として考えていません。
そのため、たんぱく質の摂取量を減らすにしても、具体的にどの食品をどの程度減らすのか、また、減らす食品の代わりに新たに摂る食品や摂取量を増やす食品を考える必要があるため、色々と勉強しているところです。
次回は、「日本人の食事摂取基準(2020年版)」における不可欠アミノ酸(必須アミノ酸)に関する記述の要点等について書きます。
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