「二度目の人生」における「健康的な食生活」 その7 「日本食品標準成分表」と「食品成分データベース」について

「日本食品標準成分表」のイメージ画像 二度目の人生における健康的な食生活

 今回は、私達が日常的に食べている様々な食品の成分に関する基礎データ集である「日本食品標準成分表」と、同成分表を元に、「特定の食品に含まれている栄養素の量」や「特定の栄養素を一定以上(以下)含んでいる食品」を検索によって簡単に調べることが出来るようにした「食品成分データベース」について書きます。

日本食品標準成分表

 文部科学省の「日本食品標準成分表・資源に関する取組」というHPにおいて次のように書かれています。

 日本食品標準成分表は、戦後の国民栄養改善の見地から、食品に含まれる栄養成分の基礎的データ集として、昭和25年に初めてとりまとめられました。以来、70年以上にわたって改訂・公表されています。この成分表は、栄養指導や生活習慣病の予防などの観点から、学校給食や病院等の給食の場食事療法の問題等を抱える一般家庭でも活用されているほか、教育・研究や行政においても広く活用されています。こうした広い利用目的に対応するため、我が国において常用される食品の標準的な成分値1食品1標準成分値を原則として、可食部100 g当たりの数値で示しています。

 一方、同上HP内の「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」のページには次のように書かれています。

 日本食品標準成分表2020年版(八訂)は、給食事業等のほか栄養成分表示をする事業者個人の食事管理におけるニーズの高まりに応えるため、文部科学省科学技術・学術審議会資源調査分科会の下に食品成分委員会を設置及び検討を行い、調理済み食品の情報の充実、エネルギー計算方法の変更を含む全面改訂を行ったものです。

日本食品標準成分表の目的及び性格

 「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」に次のように書かれています。

目 的

 国民が日常摂取する食品の成分を明らかにすることは、国民の健康の維持、増進を図る上で極めて重要であり、また、食料の安定供給を確保するための計画を策定する基礎としても必要不可欠である。
 我が国においては、日本食品標準成分表(以下「食品成分表」という)は1950年(昭和25年) に初めて公表されて以降、食品成分に関する基礎データを提供する役割を果たしてきた。
 すなわち、食品成分表は、学校給食、病院給食等の給食管理、食事制限、治療食等の栄養指導面はもとより、国民の栄養、健康への関心の高まりとともに、一般家庭における日常生活面においても広く利用されている。
 また、行政面でも厚生労働省における日本人の食事摂取基準(以下「食事摂取基準」という)の策定国民健康・栄養調査等の各種調査及び農林水産省における食料需給表の作成等の様々な重要施策の基礎資料として活用されている。さらに、高等教育の栄養学科食品学科及び中等教育の家庭科保健体育等の教育分野や、栄養学食品学家政学生活科学医学農学等の研究分野においても利用されている。加えて、2020年4月に完全施行された食品表示法に基づく加工食品の栄養成分表示制度においては、表示を行う食品事業者が栄養成分を合理的に推定するための基礎データとして頻繁に利用されている。
 このように食品成分表は、国民が日常摂取する食品の成分に関する基礎データとして、関係各方面での幅広い利用に供することを目的としている。

性 格

 国民が日常摂取する食品の種類は極めて多岐にわたる。食品成分表は、我が国において常用される食品について標準的な成分値を収載するものである。
 原材料的食品は、真核生物の植物界菌界あるいは動物界に属する生物に由来し、その成分値には、動植物や菌類の品種、成育(生育)環境等種々の要因により、かなり変動のあることが普通である。また、加工品については、原材料の配合割合、加工方法の相違等により製品の成分値に幅があり、さらに、調理食品については、調理方法により成分値に差異が生ずる。
 食品成分表においては、これらの数値の変動要因を十分考慮しながら、前述の幅広い利用目的に対応できるよう、分析値、文献値等を基に標準的な成分値を定め、 1食品1標準成分値を原則として収載している。
 なお、標準成分値とは、国内において年間を通じて普通に摂取する場合の全国的な代表値を表すという概念に基づき求めた値である。

日本食品標準成分表の構成

日本食品標準成分表」は次のとおりの構成となっています。

第1章 説 明

 収載している食品、成分と各成分ごとの測定方、数値の表示方法、調理による成分や重量の変化量等、本成分表を活用するために必要とする基礎的な事項が説明されています。

第2章 日本食品標準成分表

 「日本食品標準成分表」の本体であり、Excelデータとして収録されています。

第3章 資 料

 各食品群別の留意点として、「収載食品の定義、分類、特性、利用法等の情報」「収載した成分値を決定する根拠とした試料、分析値の由来等に関連する情報」等が説明されています。

アミノ酸成分表編

 1,999食品についてのタンパク質を構成しているアミノ酸の組成についての基礎データ集です。

脂肪酸成分表編

 1,967 食品についての脂肪酸総量各種の飽和脂肪酸、一価不飽和脂肪酸、多価不飽和脂肪酸の組成についての基礎データ集です。

炭水化物成分表編

 1,101食品についての各種の利用可能炭水化物糖アルコールの組成についての基礎データ集です。

食品成分データベース

「食品成分データベース」の概要

 「食品成分データベース」について次のように書かれています。

 「食品成分データベース」は、日本食品標準成分表に収載されている、エネルギー、たんぱく質(必須アミノ酸等)、脂質(リノール酸、DHA、EPA等)、炭水化物(ぶどう糖、クエン酸等)、ビタミン各種、カルシウム、鉄分、食物繊維、食塩相当量、コレステロールなど食品に含まれる成分の検索や、含有量のランキングの表示などが行え、いつでも、誰でも利用できる便利なサイトです。また、日常の食生活において複数の食材を組み合わせた場合の成分値も表示できます。

「食品成分データベース」の使い方

「食品成分データベース」の多様な検索機能

 「食品成分データベース」は検索によって必要とするデータを取得するシステムであり、次のとおり、多様な検索によって、必要とするデータを得ることが出来ます。
1.検索方法
(1) フリーワードで検索
(2) フリーワードで検索−食品絞り込み
(3) 食品名の一覧から検索
(4) 食品成分値の条件を指定して検索検索する場合]
(5) 食品成分ランキング
(6) 人気食品アクセスランキング
2.検索後の利用機能
(1) 食品の詳細情報を表示する。
(2) 検索結果に食品を追加する。
(3) 検索結果の食品を削除する。
(4) 検索結果に表示する成分項目を選択する。
(5) 検索結果に表示する食品の単位を変更する。
(6) 検索結果の食品の表中順序を変更する。
(7) 食品の結果をグラフで確認する。
(8) 成分の説明を表示する。
(9) 検索結果を印刷する。

「食品成分データベース」の取扱説明書

 取扱説明書において、図解付きで詳細かつ丁寧で分かり易い説明が書かれていますので誰でも簡単に使用できるようになると思います。

「食品成分データベース」の使い方の例

 特定の食品、例えば「鯖」に含まれる栄養素の量を知りたい場合、エネルギー、タンパク質、脂質(総脂質とコレステロール)、炭水化物(利用可能炭水化物と食物繊維)、ミネラル(13種類)、ビタミン(14種類)といった大まかな栄養素別から、ω3系脂肪酸の含有量を知りたい、更には、α-リノレン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)別の含有量を知りたいといった場合にも簡単に調べることができます。

 また、逆に、ω3系脂肪酸を〇〇g以上含む食品を知りたいとか、α-リノレン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)を各〇〇〇mg以上含む食品を知りたいといった場合も簡単に調べることができます。

「日本食品標準成分表」と「食品成分データベース」の活用

基本的な活用

 基本的な活用の仕方は、『「二度目の人生」における「本気の生活習慣の改善」~その5 2024年9月現在における食事内容と摂取栄養素の詳細な管理』で書きましたとおり、必要な栄養素を過不足なくバランス良く摂取するため、どんな食品をどれだけ食べるのかの判断に活用するということになるかと思います。

健康と栄養の勉強資料としての活用

 私は、「日本食品標準成分表」と「食品成分データベース」について、最初は、その名前のとおり、食品に含まれている成分を調べるための便利な成分表とデータベースに過ぎないと思っていましたが、色々と読んでいると、私が常食しているものから、見たことも聞いたこともないまでの多種多様な食品や、それらの食品に含まれている栄養素について勉強するための最高のテキストの一つだと思うようになりました。

 例えば、某栄養素の「組成」「機能」「健康に及ぼす影響」やその栄養素を多く含む食品の中で聞き慣れないものがあれば、その食品がどういった「種類」「特性」「産地」の食べ物であるのかとか、加工食品であればその「原料」「加工工程」等の概要を簡単に調べることができます。

「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」は、2,538食品54成分を網羅しており、これだけの量と質を兼ね備えた資料を活用しないのは本当にもったいないと思います。

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