前回までに引き続いて、今回は「その1 多様な食品をバランス良く食べることについて」で書いた「日常的に食べている主な食品等」のうち、玉葱、人参、ごぼうに含まれている栄養素と機能性成分について書きます。
玉 葱
玉葱は、ヒガンバナ科に属する野菜類(ここで言う「野菜類」は「日本食品標準成分表」と「食品成分データベース」で分類されている「野菜類」のことです。)の中のたまねぎ類に分類されています。
ヒガンバナ科に属する野菜類には葱、大蒜、韮、ラッキョウ等があります。
玉葱に含まれる栄養素
ネット上には「玉葱は栄養が豊富である。」といった誤った情報もありますが、実際には、玉葱に含まれる栄養素については、利用可能炭水化物が野菜類の中ではやや多く、カリウム、ビタミンB6、C、葉酸が平均並みである以外、残りの4大栄養素(蛋白質、脂質、ミネラル、ビタミン)と食物繊維については全般的に少ないです。
玉葱に含まれる栄養素の一般成分については、下記「食品成分データベース」の検索結果をご参照ください。
玉葱に含まれる機能性成分
玉葱には、蛋白質、脂質、ミネラル、ビタミンや食物繊維が少ない代わりに、ケルセチンとスルフィド(硫化アリル)という機能性成分が豊富に含まれているため常食する価値が高い野菜類の一つであると考えています。
ケルセチンはポリフェノールの一種であるフラボノイドの代表例のひとつで玉葱の黄色や苦味成分であり、スルフィドは硫黄化合で玉葱の独特の臭いと辛味の成分です。
国立研究開発法人「農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)」の「食糧 その科学と技術 54(2016.3) Ⅰ ケルセチンの生活習慣病予防機能」他の資料にや独立行政法人農畜産業振興機構の資料によると、ケルセチンとスルフィドには糖尿病、脂質異常症、高血圧、動脈硬化等の生活習慣病に加えて、認知症の予防や改善に効果があるとされています。
玉葱に含まれるケルセチンとスルフィドの含有量については、国立研究開発法人「農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)」の「機能性成分含有量情報(野菜類)」をご参照ください。
また、玉葱にはフラクトオリゴ糖という機能性成分も含まれているとされています。
人 参
人参は、セリ科に属する野菜類(ここで言う「野菜類」は「日本食品標準成分表」と「食品成分データベース」で分類されている「野菜類」のことです。)の中のた人参類に分類されています。
セリ科に属する野菜類にはパセリ、セロリ、ミツバ等、独特の香りがするため好き嫌いが分かれるものが多いですが私は何れも好きです。
人参に含まれる栄養素
人参は誰もが知っているとおり、粘膜の抵抗力を強めたり暗視力を保つ働きがあるビタミンAの前駆体であるβ-カロテンとα-カロテンが720μgRAE(レチノール活性当量)(ほうれん草の倍以上)と、野菜や魚肉等、日常的にある程度の量を食べることが出来る食品の中で頭抜けて豊富に含まれています。
また、野菜類としては、利用可能炭水化物、食物繊維、浸透圧調整やナトリウム排出作用があるカリウムが比較的に豊富です。
人参に含まれる栄養素の一般成分については、下記「食品成分データベース」の検索結果をご参照ください。
人参に含まれる機能性成分
前項のとおり、人参にはβ-カロテンとα-カロテンが頭抜けて豊富に含まれていますが、ビタミンAに変換されないβ-カロテンとα-カロテンはカロテノイドとして様々な機能性を有しています。
また、人参にはリコピンというカロテノイドもまれていますがトマトの1/100以下と微量です。
e-ヘルスネットにはカロテノイドについて次のとおり書かれています。
(カロテノイド)は動植物に広く存在する黄色または赤色の色素。大きくカロテン類とキサントフィル類に分けられ、強い抗酸化作用を持つ。 動植物に広く存在する黄色または赤色の色素成分です。水に溶けにくく油に溶ける性質を持っており、カロテン類とキサントフィル類の2種類があります。 カロテン類の代表的なものとしては、β-カロテンやリコピンなどがあり、β-カロテンは動物や人間の体内でビタミンAに変わります。キサントフィル類の代表的なものとしては、ルテインやアスタキサンチンがあります。 これらは活性酸素の発生を抑え、取り除く作用を持っています。このため活性酸素の働きで作られる過酸化脂質が引き起こす動脈硬化を予防したり、老化やがんの発生に対しても効果があると考えられます。 カロテノイドを多く含む食品は緑黄色野菜、マンゴー・パパイヤ・柿・あんず・柑橘類・すいかなどの果物のほか、とうもろこし、赤唐辛子、わかめやひじきなど海藻類、えび・かになどの甲殻類、いくら、卵黄などがあります。 |
人参に含まれるリコピンの含有量については、国立研究開発法人「農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)」の「機能性成分含有量情報(野菜類)」をご参照ください。
ごぼう
ごぼうに含まれる栄養素
ごぼうは、キク科に属する野菜類(ここで言う「野菜類」は「日本食品標準成分表」と「食品成分データベース」で分類されている「野菜類」のことです。)の中のたごぼう類に分類されています。
「ごぼうに含まれる栄養素」として聞いて一番最初に思い浮かぶのは食物繊維だと思いますが、ごぼうには水溶性食物繊維であるイヌリンと、不溶性食物繊維であるセルロース、ヘミセルロース、リグニンがバランス良く含まれています。
水溶性食物繊維と不溶性食物繊維のバランスの重要性については、健康長寿ネットの「食物繊維の働きと1日の摂取量」をご参照ください。
意外なことに(見た目とは裏腹に)、ごぼうには利用可能炭水化物が10.4g(100g中)と野菜類としては豊富であり、このためエネルギーも58kcalと多めです。
ミネラルの中では、浸透圧調整やナトリウム排出作用があるカリウムが100g中約320mg、様々な代謝に必要不可欠なマグネシウムが同約54mgと野菜類の中では豊富に含まれています。
ビタミンの中では、エネルギー代謝における補酵素として必要不可欠なB群(B12を除く。)、抗酸化作用を有するEが野菜類としてはそこそこ含まれています。
ごぼうに含まれる機能性成分
ごぼうにはクロロゲン酸というという機能性成分含まれています。
健康長寿ネットにはコーヒーポリフェノール(クロロゲン酸)について次の通り書かれています。
コーヒーポリフェノール(クロロゲン酸)を摂取することで脂肪の消費量がアップすることで、内臓脂肪が低減します。 |
ごぼうに含まれるクロロゲン酸の含有量については、国立研究開発法人「農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)」の「機能性成分含有量情報(野菜類)」をご参照ください。
また、ごぼうにはフラクトオリゴ糖という機能性成分も含まれているとされています。
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