前回の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」における不可欠アミノ酸(必須アミノ酸)のうちのヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシンと含硫アミノ酸に引き続いて、今回は芳香族アミノ酸、トレオニン、トリプトファンとバリンの主な摂取源としている食品と、不可欠アミノ酸の摂取に関するまとめについて書きます。
不可欠アミノ酸(必須アミノ酸)の主要な摂取源としている食品
下記の各表は、私が常食している全ての食品を「食品成分データベース」で検索して得られた結果をNumbersで集計した各不可欠アミノ酸(必須アミノ酸)の摂取量が多い上位10食品です。(単位:mg)
なお、当然ながら食べている食品の種類は日々異なりますが、上位10食品の多くはほぼ毎日食べているものであり、頻度が少ないものでも1週間に1回以上は食べています。
また、それぞれの摂取量も日によって変動しますので1日当たりの概算的な平均摂取量です。
芳香族アミノ酸の摂取源としている食品(上位10食品)
前々回書きましたとおり、私の一日当たりの芳香族アミノ酸の必要量1,428mgに対して、約7,800mgを摂取していますが、そのうち約4,900mgを植物性食品から、残りの約2,900mgを動物性食品から摂取しています。
また、各食品別に見ても、上位10食品中、6食品が植物性食品であり、動物性食品は4食品となっています。
食品 | 鶏卵 | 豆乳 | 納豆 | 縮緬雑魚(しらす干し) | オートミール | ナッツ類 | 鶏胸肉 | ヨーグルト | ブロッコリー | 黒胡麻 |
食品摂取量(g) | 63.6 | 200 | 40 | 11.7 | 40 | 28.7 | 23.3 | 100 | 124 | 20 |
芳香族アミノ酸摂取量(mg) | 827 | 700 | 640 | 560 | 520 | 420 | 397 | 390 | 373 | 360 |
トレオニンの摂取源としている食品(上位10食品)
一日当たりのトレオニンの必要量867mgに対して、約4,000mgを摂取していますが、そのうち約2,300gを植物性食品から、残りの約1,700gを動物性食品から摂取しています。
一方、各食品別に見ると、上位10食品中、1位、2位、5位、7位と8位の5食品が動物性食品であり、植物性食品は残りの5食品となっています。
食品 | 鶏卵 | 縮緬雑魚(しらす干し) | 豆乳 | 納豆 | 鶏胸肉 | ブロッコリー | 鮭 | ヨーグルト | オートミール | 黒胡麻 |
食品摂取量(g) | 63.6 | 11.7 | 200 | 40 | 23.3 | 124 | 23.3 | 100 | 40 | 20 |
トレオニン摂取量(mg) | 407 | 362 | 320 | 284 | 257 | 236 | 224 | 210 | 200 | 174 |
トリプトファンの摂取源としている食品(上位10食品)
一日当たりのトリプトファンの必要量230mgに対して、約1,200mgを摂取していますが、そのうち約780gを植物性食品から、残りの約440gを動物性食品から摂取しています。
また、各食品別に見ても、上位10食品中、6食品が植物性食品であり、動物性食品は4食品となっています。
食品 | 鶏卵 | 豆乳 | 納豆 | 縮緬雑魚(しらす干し) | オートミール | ブロッコリー | 黒胡麻 | 鶏胸肉 | ナッツ類 | ヨーグルト |
食品摂取量(g) | 63.6 | 200 | 40 | 11.7 | 40 | 124 | 20 | 23.3 | 28.7 | 100 |
トリプトファン摂取量(mg) | 121 | 106 | 100 | 82.8 | 80.0 | 73.3 | 70.0 | 67.7 | 61.7 | 60.0 |
バリンの摂取源としている食品(上位10食品)
一日当たりのバリンの必要量1,428mgに対して、約5,000mgを摂取していますが、そのうち約3,00gを植物性食品から、残りの約1,900gを動物性食品から摂取しています。
一方、各食品別に見ると、上位10食品中、1位、2位、7位、9位と10位の5食品が動物性食品であり、植物性食品は残りの5食品となっています。
食品 | 鶏卵 | 縮緬雑魚(しらす干し) | 豆乳 | 納豆 | オートミール | ブロッコリー | ヨーグルト | ナッツ類 | 鶏胸肉 | 鮭 |
食品摂取量(g) | 63.6 | 11.7 | 200 | 40 | 40 | 124 | 100 | 28.7 | 23.3 | 23.3 |
バリン摂取量(mg) | 522 | 397 | 360 | 356 | 320 | 298 | 270 | 257 | 257 | 233 |
不可欠アミノ酸(必須アミノ酸)の摂取に関するまとめ
各食品からの不可欠アミノ酸の摂取量
下記の表は、各不可欠アミノ酸(必須アミノ酸)の摂取源としている食品の上位10食品に10〜1の点数を付け、その合計点の高い順に並べたものです。
1 鶏卵は、1日1個を食べているだけですが、ビタミンCと食物繊維以外の栄養素を全て含む完全栄養食品と言われているだけあって、不可欠アミノ酸の最大の摂取源となっています。
2 縮緬雑魚(しらす干し)は、重量あたりのたんぱく質、アミノ酸の含有量が極めて多いため、一日に僅か12g程度を食べるだけで、鶏卵に次ぐ不可欠アミノ酸の摂取源となっています。
また、大型で長命な海水魚は重金属やマイクロプラスチック等による汚染量が多いので、こうした汚染のリスクが低くて栄養豊富な稚魚である縮緬雑魚(しらす干し)は大変嬉しい食品となっています。
3 不可欠アミノ酸(必須アミノ酸)の摂取源上位14食品の半分以上の8食品を植物性食品が占めていて、植物性食品から十分な量の不可欠アミノ酸(必須アミノ酸)を摂取しています。。
生命と健康に必要な蛋白質とアミノ酸 3の不可欠アミノ酸の摂取状況についての考察でも書きましたとおり、多様な食品をバランス良く食べていれば、一部のネット上で言われている『必須アミノ酸を摂取するためにはアミノ酸スコアが高い動物性たんぱく質を重視して摂取することが必要である』ということはないものと考えています。
4 植物性の食品は、ほぼ毎日食べているものが多いのに対して、鶏卵、縮緬雑魚(しらす干し)、ヨーグルト以外の鶏胸肉、鮭、鯖味噌煮缶は一週間で1〜2回、食べる量も70g程度と少ないため、不可欠アミノ酸の含有量は豊富ですが、摂取量はそれほど多くはありません。
植物性食品と動物性食品からの分岐鎖アミノ酸(BCAA:バリン、ロイシン、イソロイシン)の摂取量
下記の表は、不可欠アミノ酸の中でも、筋肉の維持等のため特に重要とされている分岐鎖アミノ酸(BCAA:バリン、ロイシン、イソロイシン)の摂取源としている食品の上位10食品に10〜1の点数を付け、その合計点の高い順に並べたものです。
分岐鎖アミノ酸(BCAA:バリン、ロイシン、イソロイシン)の摂取源上位10食品中の5食品が植物性食品であり、植物性食品から十分な量の分岐鎖アミノ酸を摂取しています。
このため、一部のネット上で推奨されている「分岐鎖アミノ酸(BCAA:バリン、ロイシン、イソロイシン)の含有量が多い動物性たんぱく質を重視して摂取することが必要である」ということはないものと考えています。
次回から脂質の摂取状況等について書きます。
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今回は、不可欠アミノ酸の摂取源上位常連組の鶏卵、縮緬雑魚(しらす干し)の原料となる鰯の成魚、豆乳とその他の食品をイメージした画像を作成してもらいました。
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