前回までに引き続いて、今回は「その1 多様な食品をバランス良く食べることについて」で書いた「日常的に食べている主な食品等」のうち、蕎麦・韃靼蕎麦、オートミール、黒胡麻に含まれている栄養素と機能性成分について書きます。
蕎麦粉
蕎麦粉に含まれる栄養素
常食している一般的な十割蕎麦(乾麺)と韃靼入り十割蕎麦(同)が「食品成分データベース」に掲載されていないので、「蕎麦粉(全層粉)」について書きます。
蕎麦粉(全層粉)に含まれる蛋白質、脂質と大部分のミネラルは玄米より多く、炭水化物は少ないです。
また、ビタミンについては、玄米よりも多いものがある一方で、少ないものもあります。
蕎麦粉(全層粉)に含まれる栄養素については、下記「食品成分データベース」の検索結果をご参照ください。
参考までに、下記の小麦粉65%、そば粉35%の蕎麦(乾麺)の栄養素をご参照ください。
ミネラルとビタミンが全般的に蕎麦粉(全層粉)より少なくなっています。
蕎麦粉に含まれる機能性成分
蕎麦粉(全層粉)には、ルチンとフェルラ酸という機能性成分が含まれています。
ルチンとフェルラ酸について、健康長寿ネットの「ポリフェノールの種類と効果と摂取方法」には、次のとおり書かれています。
そばなどに含まれるルチンには毛細血管を強くする働きがあり、血流も良くなります。脳卒中の予防などに役立ちます。 フェルラ酸の構造がアミノ酸の一種であるチロシンに似ています。メラニンの生成抑制はチロシンとの拮抗作用なので、フェルラ酸も同様に考えられます。メラニンを抑制できることでシミやシワ予防ができ、美白が期待できます。 |
ルチンとフェルラ酸の含有量については、国立研究開発法人「農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)」の「機能性成分含有量情報(穀類)」をご参照ください。
韃靼蕎麦
韃靼蕎麦について、農林水産省の「消費者の部屋通信」(平成21年9月号)に次のとおり書かれています。
ダッタンソバはタデ科の一年生草本です。そばの原産地といわれる中国南部からヒ マラヤ山岳地帯で多く栽培されています。モンゴルに住むタタール(韃靼)人が好ん だことにちなんで名づけられました。耐冷性が強くやせ地でも生育するので、標高が 高い地域で食用、飼料用に栽培されてきました。 ダッタンソバは、普通のそば「甘そば」に対し、殻粒に強い苦味があることから「苦そば」ともいわれています。そのままでは苦味が強く食用には適さないので、そば粉や小麦粉に混ぜたり、炒ってダッタンソバ茶として利用されています。 栄養価については、普通のそばとほぼ同じですが、機能性成分のポリフェノールの 一種のルチンが非常に多く含まれているといわれています。近年、ルチンを多く含む 機能性食品として注目を浴び、北海道や東北地方などで地域特産品として栽培が広が っています。 |
(国立研究開発法人「農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)」の「機能性成分含有量情報(穀類)」によると前項の蕎麦粉(全層粉)に含まれるルチンの量が19mgとなっているのに対して、私が食べている「韃靼入り十割そば」の栄養成分表示では、ルチンの含有量が229mgと10倍以上となっています。
オートミール
オートミールに含まれる栄養素等
オートミールには、蛋白質、脂質が玄米の約2倍、食物繊維が玄米の約3倍も含まれており、炭水化物は少ないです。
また、ミネラルとビタミンについては、玄米よりも多いものがある一方で、少ないものもあります。
オートミールに含まれる栄養素等については、下記「食品成分データベース」の検索結果をご参照ください。
オートミールに含まれる機能性成分
オートミールにはβ-グルカンという機能性成分が含まれています。β-グルカンとは、グルコースがβ-グリコシド結合で連なった多糖類で、植物や菌類、細菌など自然界に広く分布していて、食物繊維の多くもβ-グルカンです。
「オーツ麦に特徴的なジガラクトシルジアシルグリセロールーモノエストリドによる抗炎症作用」(日本栄養・食糧学会誌 第77巻第2号97-102(2024))には次の趣旨のことが書かれています。
オートミールに含まれている機能性成分であるβ-グルカンは血清コレステロール値を低下し、アベナンスラミドは酸化ストレスや炎症を緩和して肥満を抑制し、ジガラクトシルジアシルグリセロール(DGDG)、エストライド(FAHFA)、DGDG-FAHFAは優れた抗炎症作用を持つことが示されている。 |
オーバーナイトオーツ
私の場合、オートミールと豆乳、ココナッツミルク、野菜ジュース、すりおろし林檎(又は柿)、ブルーベリー、(気分によって)バナナ、ドライフルーツ、キムチ、ヨーグルト、クエン酸を混ぜ合わせてから冷蔵庫で一晩寝かしてオーバーナイトオーツにすることにより、発酵性食物繊維と同じ働きをもつレジスタントスターチ(難消化性澱粉)を増やした上で朝食として食べています。
黒胡麻
黒胡麻に含まれる栄養素
胡麻を含む種実類(しゅじつるい)は表面が硬い殻で覆われていて食用になる植物の種子や果実の総称であり、種実類のうち木になる種実をナッツと呼んでいます。
種実類は、限られた体積に十分なエネルギーを蓄える必要があるため一般的に脂質が多く、かつ、アミノ酸バランスが良い蛋白質やミネラル、ビタミン、機能性成分を豊富に含んでいるものが多いです。
胡麻は種皮の色により、黒胡麻、白胡麻及び金胡麻に大別されますが、含まれる栄養素はほぼ同じようです。
胡麻の半分以上(約55%)は脂質であり、脂質のうちの約36%がω6系多価不飽和脂肪酸(大部分がリノール酸)、約30%が一価不飽和脂肪酸、約12%が飽和脂肪酸で、ω3系多価不飽和脂肪酸は極僅か(0.3%)です。
蛋白質も比較的豊富(約20%)であり、9種類の必須アミノ酸(バリン、ロイシン、イソロイシン、スレオニン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、ヒスチジン、トリプトファン)が比較的にバランス良く含まれています。
ミネラルの中では様々な代謝に必要不可欠なマグネシウムや亜鉛、鉄、ビタミンの中では過酸化脂質の生成を抑制し強い抗酸化力を有するEやエネルギー代謝における補酵素として必要不可欠となるB群(B12を除く。)が豊富に含まれています。
胡麻に含まれる栄養素の一般成分、脂肪酸とアミノ酸については、下記「食品成分データベース」の検索結果をご参照ください。
黒胡麻に含まれる機能性成分
胡麻には、ポリフェノールの一種であって、セサミン、セサモリン、セサミノール等を含むゴマリグナン類という機能性成分が含まれています。
「ゴマリグナン類の機能性」(農業及び園芸 第93巻 第5号)によると、ゴマリグナン類については、抗酸化、抗高血圧、コレステロール低下、抗動脈硬化、糖尿病予防、ビタミン増強調節、アルコール代謝改善等の様々な機能性について研究されているようです。
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