今回は「その1 多様な食品をバランス良く食べることについて」で書いた「日常的に食べている主な食品等」のうち、前々回、前回に書きました発酵食品である味噌、納豆、キムチに含まれている栄養素と機能性成分について書きます。
味 噌
味噌に含まれる栄養素と機能性成分は、味噌の種類によって異なりますが、今回は私が食べている味噌に近いと思われる「赤色辛みそ」について書きます。
味噌に含まれる栄養素
味噌の主原料である大豆に含まれている栄養素と味噌に含まれる栄養素を比較してみると、大豆よりも味噌の含水量が多い分だけ、味噌の単位重量当たりの栄養素が全般的に減るのは当然ですが、その分を補正した上で比較しても、蛋白質、脂質、食物繊維とビタミンは味噌に醸造(醗酵)することに伴う代謝(分解や消費)により減少します。
一方、利用可能炭水化物は味噌に醸造(醗酵)することによって増えますが、その理由は食物繊維の分解と麹に含まれている利用可能炭水化物による増加分と思われます。
赤色辛みそに含まれる栄養素と、比較のための大豆に含まれる栄養素については、下記「食品成分データベース」の検索結果をご参照ください。
味噌に含まれる機能性成分
味噌や納豆の(主)原料である大豆には、β-コングリシニン、レシチン、イソフラボン、サポニン、フェルラ酸、GABA(γ-アミノ酪酸)といった様々な機能性成分が含まれています。
これらの機能性成分については、「(黄)大豆に含まれる機能性成分」及び「無調整豆乳に含まれる機能性成分」をご参照ください。
また、熊本県産業技術センターの研究報告書 No.55. 2019のP65「発酵大豆食品の発酵による抗酸化性変化の評価」等によると、大豆を発酵させることによりイソフラボンの抗酸化活性が強まるとされています。
納 豆
納豆に含まれる栄養素と機能性成分は、納豆の種類によって異なりますが、今回は私が食べている「挽きわり納豆」について書きます。
納豆に含まれる栄養素
同じ大豆を(主)原料とした発酵食品でも、味噌の場合は、「味噌に含まれる栄養素」で書きましたとおり、大豆よりも増加する水分量を補正しても、蛋白質、脂質、食物繊維とビタミンは大豆より減少しますが、納豆の場合は、水分量を補正すると、蛋白質、脂質、利用可能炭水化物、ビタミンE、B2、ナイアシン、B6、葉酸、パントテン酸が殆ど変化しないか増加し、特にビタミンKは大幅に増加します。
納豆菌を含む枯草菌は、セルラーゼを分泌して食物繊維を分解したグルコースや、プロテアーゼを分泌して蛋白質を分解したアミノ酸を吸収して、これらの酵素を含む様々な蛋白質を合成するといった代謝サイクルを繰り返しているため、エネルギー源である食物繊維を含む炭水化物が枯渇(不足)するまで、全体としてのこれらの栄養素の量が維持又は増加するようです。
納豆に含まれる栄養素については、下記「食品成分データベース」の検索結果をご参照ください。
納豆に含まれる機能性成分
納豆に含まれる機能性成分については、「味噌に含まれる機能性成分」をご参照ください。
また「納豆」(日本調理科学会誌 Vol. 52,No. 1,33~37 2019)は次のとおり書かれています。
納豆の機能性としては,ナットウキナーゼによる血栓症予防やエラスターゼによるコレステロール降下作用,納豆菌のプロバイオティクスによる整腸作用 ,ポリグルタミン酸(PGA)によるカルシウム吸収促進作用 ,ポリアミンの血中濃度上昇作用によるアンチエイジングなどが報告されており,さらに大豆イソフラボン,ビタミン K による骨粗鬆症予防や骨代謝との関連も期待される。 |
キムチ
「常食している食品等に含まれている栄養素と機能性成分 13」の「発酵食品」で書きましたとおり、日本のスーパーで販売されている「キムチ」の多くは発酵させていない「浅漬け」であるため、発酵食品としての健康効果を得ることはできません。
それは、韓国のように発酵させた「キムチ」は独特の発酵臭と大量に発生する乳酸の強い酸味が日本人の味覚に合わないためと言われています。
私が発酵させたキムチを食べるのはそれによって得られる発酵食品としての健康効果を期待してです。
しかしながら、酸味が好きな私でも発酵させたキムチの酸味は強過ぎ、また、発酵臭にも慣れないため朝食のオーバーナイトオーツに加えることにより程よい酸味と香りにした上で、その栄養素と機能性成分を美味しく頂いています。
また、上記の理由によってキムチ自体は多くは食べることは出来ませんが、乳酸菌による発酵効果は少しでも多く得たいため、オーバーナイトオーツに加えることによって、多少なりとも他の食材が発酵してくれることも期待しています。実際、加えた直後よりもオーバーナイトして食べた時の方が若干ながら酸味が増していますので多少は発酵が進んでいるのではないかと思っています。
キムチに含まれる栄養素
キムチに含まれる5大栄養素(蛋白質、脂質、炭水化物、ミネラル、ビタミン)を、含水量の多寡を考慮した上で、主材料である白菜や白菜の塩漬けと比較すると、やや多いものや、やや少ないものがありますが、全般的には同等程度です。
キムチと、比較のための白菜、白菜の塩漬けに含まれる栄養素については、下記「食品成分データベース」の検索結果をご参照ください。
キムチに含まれる機能性成分等
キムチの原材料に含まれている機能性成分
キムチの主材料である白菜には若干のポリフェノールとイソチオシアネートが含まれていますが、白菜を塩漬けにすると、これらはほとんど無くなるようであり、キムチの場合も同様だと思われます。
白菜と白菜の塩漬けに含まれる機能性成分の含有量については、国立研究開発法人「農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)」の「機能性成分含有量情報(野菜類)」をご参照ください。
また、私が食べているキムチの白菜以外の原材料は、だいこん、米粉、食塩、とうがらし、果糖、にんにく、にら、かつおぶしエキス、いわしの塩辛、昆布エキス、ねぎ、おきあみの塩辛、調味料(アミノ酸等)、甘味料(ソルビトール)となっています。
主材料である白菜に対するこれらの原材料の使用率は多くはないはずであり、食べているキムチ自体も少ない(25g程度/日)ので量的には僅かながらも、これらの原材料に含まれている機能性成分を摂取できているとは思います。
プロバイオティクスとプレバイオティクスによる腸内環境(腸内フローラ)の改善
以上のとおり、キムチに含まれている栄養素と機能性成分には特筆すべきものはありませんが、それでも私が少量ながらキムチを食べている理由は、乳酸菌及び乳酸発酵による「プロバイオティクスとプレバイオティクスによる腸内環境(腸内フローラ)の改善」の効果を期待してです。
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