二度目の人生における健康的な食生活 15〜常食している健康的な食品の栄養素と機能性成分 7

キノコのイメージ画像 二度目の人生における健康的な食生活

 前回までに引き続いて、今回は「その1 多様な食品をバランス良く食べることについて」で書いた「日常的に食べている主な食品等」のうち、きのこ類椎茸舞茸榎茸ブナシメジ)に含まれている栄養素機能性成分について書きます。

きのこ類共通

きのこ類に共通して含まれる栄養素

きのこ類に共通して含まれる栄養素全般

 椎茸舞茸榎茸ブナシメジを含む多くのきのこ類に共通する栄養素として、意外にも蛋白質は前回書きました玉葱、人参、ごぼうよりも多く、前々回に書きましたほうれん草と同等以上に含まれており、食物繊維は一般的に食べられている食品の中でトップクラスです。
 また、ミネラルの中では浸透圧調整やナトリウム排出作用があるカリウム比較的に豊富であり、ビタミンの中ではDと、エネルギー代謝における補酵素として必要不可欠なB群(B12を除く。)が比較的豊富に含まれています。
 一方、きのこ類に含まれるエネルギー脂質利用可能炭水化物は少ないです。

ビタミンDについて

 ビタミンDについて、多くの人は骨の発育強化に必要だということを理解していますが、研究が進むにつれて、ビタミンDは人体の様々な機能において重要な役割を果たしていることが明らかにされてきました。
 厚生労働省の『「統合医療」に係る 情報発信等推進事業』の「ビタミンDとは?その働きは?」において次のとおり書かれています。

 ビタミンDは、いくつかの食品に含まれ、強い骨を維持するためや健康のために必要な栄養素です。ビタミンDは、身体が食料品やサプリメントからカルシウム(骨の主要成分のひとつ)を吸収するのを助けることによって、強い骨を維持します。ビタミンDの摂取が少なすぎる人は、骨が軟化し、細くなり、脆くなる病気を発症するおそれがあります。この病気は、小児の場合は「くる病」、成人の場合は「骨軟化症」と呼ばれています。
 ビタミンDは、その他多くの意味において身体にとって重要な栄養素です。たとえば、筋肉を動かすため、神経が脳と身体のあらゆる部位との間のメッセージを伝達するため、免疫系が体内に侵入してくる細菌やウイルスを撃退するために不可欠です。カルシウムと共にビタミンDもまた高齢者を骨粗鬆症から守ります。ビタミンD全身の細胞内に存在しています。

きのこ類に共通して含まれる機能性成分

 椎茸舞茸榎茸ブナシメジを含む多くのきのこ類には、β-グルカントレハロースという機能性成分が含まれています。

 β-グルカンとは、グルコースβ-グリコシド結合で連なった多糖類で、植物や菌類、細菌など自然界に広く分布していて、食物繊維の多くβ-グルカンです。
 きのこ類には、それぞれ複数の種類のβ-グルカンを含んでおり、椎茸から抽出されたβ-グルカンレンチナンという薬剤は、キラーT細胞マクロファージNK(ナチュラルキラー)細胞などの働きを活性化させると考えられています。がんに対する抑制効果よりも、抗がん剤治療による免疫力低下を補う目的で使われることが多いとされています。(下線部は「抗がん剤の種類と副作用」「レンチナン(生物学的応答調節剤)」から引用)
 また、他のβ-グルカンについても、β-グルカンが有する機能性として、体内の感染細胞やガン細胞を攻撃するマクロファージや、NK細胞T細胞キラーT細胞を活性化させる働きなどがあげられます。この免疫力・抵抗力を高める作用により、ガンなどの腫瘍を抑えると考えられています。(下線部は「あいち産業科学技術総合センター食品工業技術センター」の『技術解説「β-グルカンについて」』から引用)

 トレハロースグルコース1,1-グリコシド結合してできた二糖類であり、動植物を乾燥高温凍結等から保護する作用に注目が集まり、様々な食品の賞味期間や保存期間の延長のために使われてきました。
 近年になって、人体における耐糖能改善効果神経変性疾患抑制効果など、多様な機能性についての研究成果が報告されています。

 きのこ類に含まれる機能性成分の含有量については、国立研究開発法人「農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)」の「機能性成分含有量情報(きのこ類)」をご参照ください。

椎 茸

椎茸に含まれる栄養素

 椎茸に含まれる栄養素一般成分については、下記「食品成分データベース」の検索結果をご参照ください。

椎茸に特異に含まれる機能性成分

 椎茸には、「きのこ類に共通して含まれる機能性成分」で書きましたβ-グルカントレハロースの他に、エリタデニンというという機能性成分が含まれています。
 エリタデニンには血漿コレステロール濃度を低下させる機能性があることが50年以上前から分かっていましたが、近年になってその作用機構の詳細について明らかにされました。(以上は「公益社団法人 日本栄養・食糧学会」の平成21年度学会賞「食事因子による含硫アミノ酸代謝の制御に関する研究」によります。)

舞茸に含まれる栄養素

 舞茸に含まれる栄養素一般成分については、下記「食品成分データベース」の検索結果をご参照ください。

榎茸に含まれる栄養素

 榎茸に含まれる栄養素一般成分については、下記「食品成分データベース」の検索結果をご参照ください。

ブナシメジに含まれる栄養素

 ブナシメジに含まれる栄養素一般成分については、下記「食品成分データベース」の検索結果をご参照ください。

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