今回は、TVやYouTube等のネット上の企業PR等に溢れている『保健機能食品(「特定保健用食品」「栄養機能食品」「機能性表示食品」)』や『その他の健康食品(「サプリメント」「栄養補助食品」「健康補助食品」「自然食品」など)』の「健康食品」について書きます。
「健康食品」の定義等
消費者庁の「健康食品」というHP
消費者庁の「健康食品」というHPにおいては次のように書かれています。
健康食品とは、一般的に、健康に良いことをうたった食品全般のことをいいます。 |
(令和6年4月1日、食品衛生基準行政が厚生労働省から消費者庁に移管されました。)
厚生労働省の『いわゆる「健康食品」のホームページ』
厚生労働省の『いわゆる「健康食品」のホームページ』においては次のように書かれています。
いわゆる「健康食品」と呼ばれるものについては、法律上の定義は無く、医薬品以外で経口的に摂取される、健康の維持・増進に特別に役立つことをうたって販売されたり、そのような効果を期待して摂られている食品全般を指しているものです。 |
「うたう」とは「主張する」という意味であり、「健康食品」とは、売る側が健康に良いこと、健康の維持・増進に特別に役立つことを主張し、買う側もそれを期待するだけのものであり、科学的な裏付けが無いもの(も含まれる)ということだと理解できます。
「健康食品」の区分等
消費者庁の「健康食品」というHP
消費者庁の「健康食品」というHPにおいては次のように書かれています。
健康食品のうち、国が定めた安全性と効果に関する基準などに従って機能性が表示されている食品は「保健機能食品」といい、「特定保健用食品」、「栄養機能食品」及び「機能性表示食品」の3種類があります。 |
厚生労働省の『いわゆる「健康食品」のホームページ』
厚生労働省の『いわゆる「健康食品」のホームページ』においては次のように書かれています。
いわゆる「健康食品」と呼ばれるものについては、法律上の定義は無く、医薬品以外で経口的に摂取される、健康の維持・増進に特別に役立つことをうたって販売されたり、そのような効果を期待して摂られている食品全般を指しているものです。(以上は前掲) そのうち、国の制度としては、国が定めた安全性や有効性に関する基準等を満たした「保健機能食品制度」があります。 |
「保健機能食品」の一つである「機能性表示食品」の安全性と機能性
2015年4月に導入された「機能性表示食品」は、小林製薬株式会社が販売していたサプリメント「紅麹コレステヘルプ」を摂取したことによる急性腎障害等の腎障害を含む健康被害が相次いだことで大きな問題となりました。
消費者庁の「機能性表示食品について」というHP
消費者庁の「機能性表示食品について」というHPにおいては次のように書かれています。
機能性表示食品制度とは、国の定めるルールに基づき、事業者が食品の安全性と機能性に関する科学的根拠などの必要な事項を、販売前に消費者庁長官に届け出れば、機能性を表示することができる制度です。 特定保健用食品(トクホ)と異なり、国が審査を行いませんので、事業者は自らの責任において、科学的根拠を基に適正な表示を行う必要があります。 |
第3の制度「機能性表示食品」の概要と課題(参議院 内閣委員会調査室)/立法と調査 2015. 9 No. 368
第3の制度「機能性表示食品」の概要と課題(参議院 内閣委員会調査室)/立法と調査 2015. 9 No. 368の「5.機能性表示食品制度の今後の課題(2)消費者教育の重要性」に次のとおり書かれています。
機能性表示食品は、国の個別の許可を受けたものではなく、事業者の責任において機能性表示が行われるものである。そのため、消費者自身が、消費者庁のホームページで公開されている機能性食品の届出情報を基に機能性や安全性を判断し、様々な商品から適切な商品を選択することが求められる。 他方で、平成26年3月に消費者庁の事業として実施された「食品の機能性表示に関する消費者意向等調査」の結果からは、食品の機能性表示に関し、消費者の正確な理解が進んでいない状況が浮かび上がってくる。例えば、最近1年間に摂取した「健康食品」が特定保健用食品、栄養機能食品、「いわゆる健康食品」のどれか分からないと回答している者が全体の約3割に上っており、また、過去1年間に「いわゆる健康食品」を摂取した者のうち、15~19歳と「健康食品を摂取している中学生以下の子どもを持つ者」の約2割が「いわゆる健康食品」を摂取することで、病気が治ると思うと回答したほか、65歳以上の約2割、15~19歳の約3割が「いわゆる健康食品」も全て国が認可していると思うと回答している。 消費者庁においては、機能性表示食品に関する消費者の理解を深めるための教育活動や広報活動等を積極的に行うことが求められよう。 |
「機能性表示食品」の安全性と機能性の担保は事業者の良心と科学的能力次第であり、それを信用して購入し摂取するか否かの判断は消費者自身の自己責任でやらねばならないということです。
「健康食品」の摂取における留意事項等について
消費者庁の「健康食品」というHP
消費者庁の「健康食品」というHPにおいては次のように書かれています。
様々な健康食品が市場にありますが、本来、健康の維持・増進の基本は、「栄養バランスのとれた食事、適度な運動、十分な休養」です。安易に健康食品で栄養の偏りや生活の乱れを解決しようとせず、食事、運動、休養の質を高めるための補助的なものとして、健康食品を上手に利用することが重要です。 |
消費者庁の「健康食品Q&A」「健康食品5つの問題」という二つのパンフレット
「健康食品Q&A」の「はじめに」において次のとおり書かれています。
健康に良いことをうたった食品全般のことを、一般的に健康食品といいます。 様々な健康食品が市場にありますが、同じような健康食品でも、国の制度に基づいて、安全性や効果が確認されているものと、そうでないものがあります。 しかし、その違いについて、よく分からないと感じる方もいらっしゃいます。 この冊子では、健康食品を理解し、利用する際に注意すべきポイントを御紹介します。 |
また、同パンフレットの「Q1・A1」において次のとおり書かれています。
Q1 栄養の偏りや運動不足があるので、健康食品でカバーしたいです。 A1 健康維持の基本は「栄養バランスの取れた食事、適度な運動、十分な休養」です。この3つに代わる健康食品はありません。 健康食品は、食事、運動、休養の3つの基本を押さえた上で使うことが大切です。 不足している栄養素を補う、運動の効果を助けるなどの効果が期待できる製品もありますが、特定の栄養素を大量に取ると健康被害を受ける場合があるので、適切に使うためにはある程度の知識と注意が必要です。 安易に健康食品で栄養の偏りや生活の乱れを解決しようとせず、まずは、日頃の食事、運動、休養の改善を図りましょう。やむを得ず栄養素の不足が生じるときは、あくまで補助的なものとして、健康食品を上手に利用しましょう。 |
「健康食品5つの問題」というパンフレットには次のように書かれています。
1 健康食品で病気が治る? 錠剤・カプセル状の製品(いわゆるサプリメント)は、薬のように見えますが、『食品』であり、病気を治す効果、防ぐ効果はありません。 2 天然・自然由来のものが原料なら安全? 天然・自然由来の毒素は無数にあります。天然・自然由来の食品でも、健康食品として使用する場合は、普段の食べ方とは異なるため、食品では予期しないような影響が出ることがあります。 3 専門家の研究結果と同じ効果がある? 有効性の試験は特定の条件下で行われています。人が食べたときに必ずしも、誰でも同じ効果が出るとは限りません。 4 体験談は信用できる? 体験談は、利用者の感想にすぎません。宣伝のために都合の良い内容のみ編集して掲載されている場合もあります。 5 一時的な体調不良は効果の証拠? 「好転反応」と呼ばれる、体調が良くなる過程で、一時的に体調が悪くなるような症状が出ることは、健康食品では起こらないとされています。 |
厚生労働省の『いわゆる「健康食品」のホームページ』
厚生労働省の『いわゆる「健康食品」のホームページ』においては次のように書かれています。
いわゆる「健康食品」の安全性の確保 「健康食品」の安全性確保に関する検討会 近年、国民の健康に対する関心の高まり等を背景に、様々な「健康食品」が販売されていますが、国においてはこれまで、国民がそれぞれの食生活の状況に応じて適切に食品を選択できるよう、また国民に対し健康上の被害や安全性に関する不安を与えることのないよう、一定の規格基準、表示基準等を定める等の環境整備を行ってきたところです。 一方で、近年、一般に飲食に供されることがなかったものや特殊な形態のもの等、様々な食品が「健康食品」として流通するようになり、これに起因する健康被害の発生等が危惧されています。 このような状況を踏まえ、検討会を開催して今後の「健康食品」における安全性確保のあり方を中心に検討を行いました。 「健康食品」の安全性確保に関する検討会報告書(平成20年7月報告書公表) |
厚生労働省の「健康食品の正しい利用法」というパンフレット
厚生労働省の「健康食品の正しい利用法」というパンフレットにおいては次のように書かれています。
はじめに
テレビ、雑誌、新聞、インターネットなどで毎日目にする健康食品。市場にはさまざまな健康
食品が流通していますが、健康食品が原因で体調を崩す事例なども出てきており、注意が必要で
す。あふれる情報にふりまわされず、健康食品について正しく理解できるよう、このパンフレッ
トを参考に、冷静に考えてみてください。
健康食品を買う前に「本当に必要かどうか」考えてみましょう
健康食品の包装には栄養成分表示がありますが、購入を考える前に「本当にその健康食品が必要かどうか」冷静に考えることが大切です。バランス良く通常の食事を摂っていれば、栄養がそれほど不足することはありません。
以上を読む限り、国は国民に対して「健康食品」の摂取を積極的に推奨してはいないと思います。
健康長寿ネットの「サプリメントの定義と正しい利用法」というHP
健康長寿ネットの「サプリメントの定義と正しい利用法」というHPの「サプリメントの正しい利用法」には次のように書かれています。
サプリメントの情報はTVや雑誌、インターネットなどで情報が氾濫しています。まずは購入する前に、ご自分に本当にサプリメントが必要か考えてみます。 サプリメントの利用の前に、まずは毎日の食事から野菜、果物、乳製品、魚などを食品から取り入れるようにします。そのためには栄養バランスの良い食事を心がけ、食事内容や食生活事態を見直します。 サプリメントを購入する際には成分名、含有量、問い合わせ先を確認します。特に健康面の安全性や有効性を判断するためには含有量が必要です。サプリメントは食品に分類されていますが、ビタミンやミネラルなど1度に多種類のサプリメントを摂取すると健康被害の可能性が高くなり、被害の原因究明も難しくなります。何種類か摂取している場合は、同じ成分が重複していることもあり、過剰摂取による体調不良も引き起こします。 サプリメントを使用する際は、服薬中の薬との飲み合わせを確認します。サプリメントの形状は薬に似ていますが、薬とは別物です。サプリメントの利用によって病気の治癒が遅れたり、症状が悪化することもあります。 サプリメントは食品ではありますが、薬のような副作用がないわけではありません。サプリメントを利用するときは、どこのメーカーをいつ、どのくらい飲んだかなどをメモし、体調が悪くなったときは、すぐ使用を中止し、医療機関や保健所へ報告します。 また三七人参、ローヤルゼリー、ウコン、スピルリナなど天然のものでもアレルギーを引き起こすこともあります。表示に天然・自然の素材と記載されていても安全、安心とは限りません。 サプリメントを摂取しても良い実感がないときは、思い切ってサプリメントを止めてみることも大切です。 サプリメントの上手な活用方法は、サプリメントを利用しながら生活習慣や食生活も一緒に見直していくことです。 |
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