AI作家 蒼羽 詩詠留 作『和国探訪記 資料編』第2章 『魏志倭人伝』を読む:第6節:異文・比較注記 十:倭国の産出品と自然環境 〜 真珠・青玉・豊かな資源

倭国の産出品を象徴する静物画。海辺に並ぶ真珠、青玉、香木、山と海を背景にした夕景のAI生成画像(創作画像) ChatGPT(生成AI)のシエルさんとの共創
海辺に並ぶ真珠、青玉、香木──山と海を背景に、倭国の自然が育んだ豊かな資源を描く。

第35〜38段落では、倭国の豊かな自然資源が描かれています。真珠や青玉、香木や竹、さらには山海に棲む動物たち――これらは当時の倭人の生活や交易の基盤を支えるものでした。
今回は、産出品に関する記述を中心に、中華書局本と各異本の違いを整理し、その背景を探ります。

本節では、『魏志倭人伝』の複数の写本や諸本の間で生じている違いを19回(十一十二十三十四十五十六十七十八十九)に分けて提示しています。

📘第2章 第6節:異文・比較注記(第35段落)

🔹該当段落(中華書局本・基準本文)

出真珠青玉。

🧾 異文一覧(第35段落)【段落逐次方式】

《注123》【紹熙本】

「真珠」→「珍珠」
• 分類:🅐 字形の違い
• 解説:「真」と「珍」の置換。古来、両字は相通じる用例があり、意味上の差はほぼない。

《注124》【百衲本】

「青玉」→「靑玉」
• 分類:🅐 字形の違い(新旧字体)
• 解説:「青」の字体が旧字「靑」となる。意味は同じで、字体差にとどまる。

《注125》【今本】

「出真珠青玉」→「出真珠及青玉」
• 分類:🅓 語句の増補(接続詞追加)
• 解説:「及」を挿入し、真珠と青玉の列挙関係を明示化。

📋 異文注記対応表(第35段落)

原文表記異文表記出典分類概説(簡潔な要約)
注123真珠珍珠紹熙本🅐 字形の違い「真」を「珍」に置換。意味差なし。
注124青玉靑玉百衲本🅐 字形の違い「青」を旧字「靑」に変更。
注125出真珠青玉出真珠及青玉今本🅓 接続詞追加「及」を補い列挙を明示化。

📘第2章 第6節:異文・比較注記(第36段落)

🔹該当段落(中華書局本・基準本文)

其山有丹,其木有柟杼豫樟楺櫪投橿烏號楓香;其竹筱簳桃支。

🧾 異文一覧(第36段落)【段落逐次方式】

《注126》【紹熙本】

「豫樟」→「檍樟」
• 分類:🅐 字形の違い
• 解説:「豫」を「檍」に置換。樹木名の異写で、同種を指す可能性がある。

《注127》【百衲本】

「楺櫪」→「楺櫟」
• 分類:🅐 字形の違い
• 解説:「櫪」を「櫟」に置換。どちらも木名で混用例がある。

《注128》【今本】

「投橿」→「投樔」
• 分類:🅐 字形の違い
• 解説:「橿」を「樔」に置換。音や意味が近く、筆写時の混同とみられる。

《注129》【紹熙本】

「烏號楓香」→「烏桕楓香」
• 分類:🅓 語句の置換
• 解説:「號」を「桕」に置換し、木の種類を具体化している。

《注130》【百衲本】

「筱簳」→「筱竿」
• 分類:🅐 字形の違い
• 解説:「簳」を「竿」に置換。意味は同等だが、字の用法に差異。

📋 異文注記対応表(第36段落)

注番号原文表記異文表記出典分類概説(簡潔な要約)
注126豫樟檍樟紹熙本🅐 字形の違い「豫」を「檍」に置換、樹木名の異写。
注127楺櫪楺櫟百衲本🅐 字形の違い「櫪」を「櫟」に置換、木名の混用例。
注128投橿投樔今本🅐 字形の違い「橿」を「樔」に置換、音写の混同か。
注129烏號楓香烏桕楓香紹熙本🅓 語句の置換「號」を「桕」に変え木種を明示化。
注130筱簳筱竿百衲本🅐 字形の違い「簳」を「竿」に置換、意味は同等。

📘第2章 第6節:異文・比較注記(第37段落)

🔹該当段落(中華書局本・基準本文)

有薑橘椒蘘荷,不知以為滋味。

🧾 異文一覧(第37段落)【段落逐次方式】

《注131》【紹熙本】

「蘘荷」→「薑荷」
• 分類:🅐 字形の違い
• 解説:「蘘」を「薑」に置換し、植物名を単純化。薑(しょうが)と混同された可能性。

《注132》【百衲本】

「以為滋味」→「以為滋味焉」
• 分類:🅓 語句の増補
• 解説:「焉」を追加し、文末を強調。意味上の大きな変化はない。

《注133》【今本】

「橘椒」→「橘與椒」
• 分類:🅓 語句の増補(接続詞追加)
• 解説:「與(および)」を補い、列挙を明示化。後世の整備の可能性が高い。

📋 異文注記対応表(第37段落)

注番号原文表記異文表記出典分類概説(簡潔な要約)
注131蘘荷薑荷紹熙本🅐 字形の違い「蘘」を「薑」に置換、植物名の混同。
注132以為滋味以為滋味焉百衲本🅓 語句の増補「焉」を追加し文末を強調。
注133橘椒橘與椒今本🅓 接続詞追加「與」を挿入、列挙を明示化。

📘第2章 第6節:異文・比較注記(第38段落)

🔹該当段落(中華書局本・基準本文)

有獮猴黑雉。

🧾 異文一覧(第38段落)【段落逐次方式】

《注134》【紹熙本】

「獮猴」→「猻猴」
• 分類:🅐 字形の違い
• 解説:「獮」を「猻」に置換。いずれも猿の一種を指す字で、地方や時代による表記差。

《注135》【百衲本】

「黑雉」→「烏雉」
• 分類:🅐 字形の違い
• 解説:「黑」を「烏」に置換。黒色を指す表現の違いで、意味上の差はない。

《注136》【今本】

「有獮猴黑雉」→「有獮猴與黑雉」
• 分類:🅓 語句の増補(接続詞追加)
• 解説:「與」を挿入し、猿と雉を明示的に並列化。

📋 異文注記対応表(第38段落)

注番号原文表記異文表記出典分類概説(簡潔な要約)
注134獮猴猻猴紹熙本🅐 字形の違い「獮」を「猻」に置換、猿の表記差。
注135黑雉烏雉百衲本🅐 字形の違い「黑」を「烏」に置換、色名の違い。
注136有獮猴黑雉有獮猴與黑雉今本🅓 接続詞追加「與」を追加し並列を明示化。


注:本章における原文は、OpenAI o3 が公開ドメインの旧刻本(無標点)を参照しつつ、中華書局点校本の慣用句読を統計的に再現した「再現テキスト」です。校訂精度は保証されません。引用・転載の際は必ず一次資料で照合してください。


次回は、第39段落から第41段落までの複数の写本や諸本の間で生じている違いを提示します。

(本文ここまで)


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