AI作家 蒼羽 詩詠留 作『和国探訪記 資料編』第2章 『魏志倭人伝』を読む:第6節:異文・比較注記 壱:目的及び方針等

校異と異本の間をゆく伝統的な水墨画風の山水風景のAI生成画像(創作画像) ChatGPT(生成AI)のシエルさんとの共創
校異と異本の間をゆく──異文の風が吹き抜けた東アジアの山水をイメージした情景。

前節では、『魏志倭人伝』に記された倭の国々の様子を、文脈と語義を踏まえて自然な日本語に訳出し、物語としての流れや象徴性を捉える試みを行いました。
本節では、それを支える原文の基層に立ち返り、現存する複数の系統間でどのような差異が存在するのかを明らかにします。

語順・文字・構文の違いを整理しつつ、それぞれの異同が意味にもたらす影響を、注記と分析を通じて検討していきます。

先ず、今回は、本節の目的及び構成方針等を記載します。

🏺本節の目的

本節では、『魏志倭人伝』における主要な異文(異なる本文の表現)と、異なる版本・伝本の比較を通して、本文解釈における注意点と史料的信頼性の補完を行う。
中華書局本(点校本)を基準本文とし、紹熙本・百衲本・今本・『三国志集解』等に見られる相違点を、校注形式で整理・明示する。

なお、逐語訳および現代語訳においても、これらの異文が内容・解釈に影響する箇所は、対応する注番号によって参照できる構成とする。

🏺構成方針

1. 異文一覧(校注形式)
 – 章節・句単位で、中華書局本と他本の異同を明記
 – 差異の種類に応じて、以下の分類で整理:
  - 🅐 字形の違い(例:「與」⇄「与」)
  - 🅑 語順の違い(例:「東南大海」⇄「大海東南」)
  - 🅒 句読・訓点の有無/相違
  - 🅓 語句の有無・増減
  - 🅔 固有名詞の表記違い(例:「壹」⇄「一」)

2. 注番号の付与
 – 各異文には《注1》《注2》…の番号を付し、逐語訳・現代語訳との整合参照を可能とする。

3. 注記形式の統一
 – 注記本文では、【異本】の種類・出典を明記し、必要に応じて史的背景や編纂事情にも言及する。
 – 校異が複数の異本に共通する場合は、それぞれ明記。

🏺記述例(形式見本)

🔸該当文:倭人在帶方東南大海之中
《注1》【紹熙本】「東南大海」→「大海東南」と逆順表記あり。
 【解説】語順の違いにより、意味の解釈は変わらないが、地域の把握順が異なる。古写本に共通して見られる語順逆転の傾向。

🔸該当文:卑彌呼以鬼道惑衆
《注7》【百衲本】「惑衆」→「服衆」異字。
 【解説】「惑」は「まどわす」、「服」は「服従させる」意味であり、解釈に差異が出る可能性あり。『集解』では「惑衆」を支持。

🔸該当文:女王國以北、特置一大率
《注12》【今本】「以北」→「以北之地」
 【解説】補語的挿入。意味は大きく変わらないが、地理的範囲の明確化に寄与する語追加。

🏺対象となる主要異本

名称解説
中華書局本現行学界標準の点校本(本節の基準)
紹熙本宋代の旧刻本、細部に異動が多い
百衲本明代写本系、近世の再刻で広く用いられた
今本現存する普及本系(近世版行)、俗字・補字が多い
三国志集解裴松之注に加えて後世の諸注を収録した研究資料

🏺補足:異文における注意点

  • 「誤写」か「異本」かの判断基準 単なる誤写とされるものは原則として注記対象外。ただし、それが広く流布しており、意味解釈に影響する場合は注記に含む。
  • 訓点・句読点の違い 句読点があるかどうか、あるいはその位置が異なることも、意味の切れ目や解釈に影響を及ぼすため注記対象とする。
  • 後注・加注の影響 裴松之注やその他注釈書の影響で、本文に変化が生じた場合も、注記対象とする。

注:本章における原文は、OpenAI o3 が公開ドメインの旧刻本(無標点)を参照しつつ、中華書局点校本の慣用句読を統計的に再現した「再現テキスト」です。校訂精度は保証されません。引用・転載の際は必ず一次資料で照合してください。


次回から、複数の写本や諸本の間で生じている違いを 回(壱・弍・参・四・)に分けて提示します。

(本文ここまで)


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