二度目の人生における健康的な食生活 73~生命と健康長寿に必要なビオチンの摂取基準と摂取量等

ビオチンの機能のイメージ画像 生命と健康長寿に必要な栄養素の摂取基準と摂取量等

 前回パントテン酸(ビタミンB5)摂取基準摂取量等に引き続き、今回は「日本人の食事摂取基準(2020年版)」におけるビオチン(ビタミンB7)摂取基準摂取量等について書きます。

Ⅱ各 論 1エネルギー・栄養素 1-6 ビタミン (2)水溶性ビタミン ⑧ビオチン

1 基本的事項

1-1 定義と分類

 ビオチンの構造式を図14に示した。食事摂取基準は、ビオチンの重量で設定した。ビオチン
は、図14に示した構造式を有する化合物である。d-異性体のみが生理作用を有する

1-2 機能

 ビオチンは、ピルビン酸カルボキシラーゼの補酵素であるため、欠乏すると乳酸アシドーシスなどの障害が起きる。ビオチンは、抗炎症物質を生成することによってアレルギー症状を緩和する作用がある。ビオチン欠乏症は、リウマチ、シェーグレン症候群、クローン病などの免疫不全症だけではなく、1型及び2型の糖尿病にも関与している。ビオチンが欠乏すると、乾いた鱗状の皮膚炎、萎縮性舌炎、食欲不振、むかつき、吐き気、憂うつ感、顔面蒼白、性感異常、前胸部の痛みなどが惹起される。

1-3 消化、吸収、代謝

 生細胞中のビオチンは、ほとんどがたんぱく質中のリシンと共有結合した形で存在する。食品の調理・加工過程において、ほとんど遊離型になることはない。消化管においては、まずたんぱく質が分解を受け、ビオチニルペプチドやビオシチンとなる。これらが加水分解された後、最終的にビオチンが遊離され、主に空腸から吸収される。消化過程は食品ごとに異なり、一緒に食べる他の食品によっても影響を受ける。相対生体利用率を網羅的に検討した報告は見当たらない。我が国で食されている平均的な食事中のビオチンの遊離型ビオチンに対する相対生体利用率は、80%程度であると報告されている。卵白に含まれる糖たんぱく質であるアビジンは、ビオチンと不可逆的に結合するため、ビオチンの吸収を妨げる

2 指標設定の基本的な考え方

 ビオチン欠乏症を実験的に再現できないため、推定平均必要量を設定できないことから、摂取量の値を用いて、目安量を策定した。

3 健康の保持・増進

3-1 欠乏の回避

3-1-1 必要量を決めるために考慮すべき事項

 ビオチンは糖新生、脂肪酸合成に関わる補酵素である。したがって、空腹時に血糖値が下がったときと、逆に食後でグルコースやアミノ酸が余剰となったときに必要量が高まる

3-1-2 目安量の策定方法

・成人(目安量)
 1日当たりのビオチン摂取量は、トータルダイエット法による調査では、アメリカ人で 35.5µg/日、日本人で45.1µg/日や60.7µg/日などの報告がある。なお、日本食品標準成分表2010にビオチン含量が初めて掲載され、この成分表を用いて計算された値として、約30µg/日と約50.8 µg/日が報告されている。日本食品標準成分表2015年版(七訂)21)が公表されたが、依然として、この食品成分表に掲載された食品の多くは、ビオチンの成分値が測定されていない。そのため、今回の算定にも、従来のトータルダイエット法による値を採用し、成人(18〜64歳)の目安量を50µg/日とした。
・高齢者(目安量)
 高齢者に関する十分な報告がないため、成人(18〜64歳)と同じ値とした。
・乳児(目安量)
(略)
・小児(目安量)
(略)
・妊婦(目安量)
(略)
・授乳婦(目安量)
(略)

3-2 過剰摂取の回避

3-2-1 摂取源となる食品

 通常の食品で可食部100g当たりのビオチン含量が数十µg を超える食品は、レバーを除き存在せず、通常の食品を摂取している者で、過剰摂取による健康障害が発現したという報告は見当たらない。

3-2-2 耐容上限量の策定

 健康な者においては、十分な報告がないため、耐容上限量は設定しなかった。(以下略)

3-3 生活習慣病の発症予防

 ビオチン摂取と生活習慣病の発症予防の直接的な関連を示す報告はないため、目標量は設定しなかった。

4 生活習慣病の重症化予防

 ビオチン摂取と生活習慣病の発症予防の直接的な関連を示す報告はないため、生活習慣病の重症化予防を目的とした量は設定しなかった。

ビオチンの食事摂取基準及び私の摂取量と摂取源としている主な食品

ビオチンの食事摂取基準(μg/日)

ビオチン(ビタミンB7)の摂取量と主要な摂取源

 私は、生命健康長寿に必要な栄養素や機能性成分を出来るだけ多く含み、かつ、命と健康に悪い成分が出来るだけ少ない多様な食品バランス良く食べるよう心がけています。
 そして、そうした食品の中のブロッコリー鶏卵豆乳オートミールアーモンドきのこ類からだけで、目安量の50μg/日を20μg/日上まわる70μg/日のビオチン(ビタミンB7)を摂取しているので、詳細な摂取量を把握することは不要であり計算していません。

まとめ

目安量を満たすビオチン(ビタミンB7)の摂取

 ビオチン(ビタミンB7)パントテン酸(ビタミンB5)同様、多様な食品をバランス良く食べている限りは不足しにくいと考えています。

ビオチン(ビタミンB7)のサプリメント

 ビオチン(ビタミンB7)は不足しにくいとはいえ、含有量が少ない食品ばかりを偏食していたならば不足することはあり得るとは思いますのでサプリメントから摂取する場合もあるのかもしれません。
 しかしながら、美容、特に美しい肌、爪や髪の毛を求める女性を狙い撃ちするかのように5,000μg(目安量の100倍)といった高容量のサプリメントも売られていますが、耐容上限量は策定されていないとはいえ、こうした高容量サプリメントの摂取は問題ないのかと疑問を感じています。

 次回は、ビタミンC摂取基準摂取量等について書きます。

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