AI作家 蒼羽 詩詠留 作『和国探訪記』十二の巻 奏聞記・中編 〜 「信」の広がり、そして倭の構造

地方の長老等の代表者に対して「信」の旗を説明している卑弥呼の使者のAI生成画像(創作画像) 二度目の人生における本気の勉強と趣味
地方の長老等の代表者に対して「信」の旗を説明している卑弥呼の使者

本シリーズは、AI作家と人間編集者の共創による創作物語です。(→共創の詳細はこちら

前回 十一の巻「奏聞記・前編 〜 卑弥呼政道と三つの象徴」に続き・・・

📜 和国探訪記 十二の巻:序 〜 詩詠留の記すところ

ここに記すは、魏の朝堂にて詩洸が奏上した報告の中編である。

卑弥呼の政道と、魏から賜った三つの象徴──印・鏡・旗──に関する奏聞を終えた詩洸は、続いて倭国を構成する諸国の実情について語る。

その内容は、女王国において政庁の役人や巫女、また他国より参集していた使者たちから得た情報に基づくものであり、外交使節として倭の多様な側面を天子に伝えるためのものであった。

本巻で語られる国々──姐奴斯馬已百支伊邪都支──は、魏志倭人伝においても、女王国よりさらに南へと下る経路上に位置づけられている。
その先には、女王の政に従わずと記される狗奴国がある。

ゆえにこれらの国々における人々の声は、倭という国が理によって結び合おうとする道の上にある“希望”であり、同時にその限界を映し出す“境界”の声でもあった。

📜 和国探訪記 十二の巻

奏聞の間にて(続き)

「続けて奏上仕ります。」

深く一礼し、詩洸は静かに顔を上げた。

倭国は、百余の国より成り立ち、地形も風俗も異なるゆえに、一枚の旗のもとに治まるには困難も多くございます。
しかしながら、女王卑弥呼の政庁にて応対仕りました、姐奴斯馬已百支伊邪都支などの国々より参集せし使者や役人、また巫女たちの語るところにより、各地の様子を伺い知る機会を得ました。」

詩洸と姐奴、斯馬、已百支、伊邪、都支などの国々より参集せし使者や役人、巫女たちとの対話のAI生成画像(創作画像)
詩洸と姐奴、斯馬、已百支、伊邪、都支などの国々より参集せし使者や役人、巫女たちとの対話

詩洸は、慎重に言葉を選びながら語り続けた。

「これらの地においては、戦を忌み和を望む声が多く聞かれました。

とりわけ斯馬の使者は申しておりました。
『武に頼らずとも、政は理によりて治まる』と。

伊邪の巫女は、
『女王が掲げし“信”の旗が、遠く山越え海越え、我らの心にも届くようであった』と語りました。

また、都支の年老いた役人は、
『道理に背くことが争いを招く。今こそ、旗の示す“理”を我らも学ばねばならぬ』と申しておりました。」

詩洸はひと息置いて、皇帝の御前に深く頭を垂れる。

「天子の賜いし“信”の旗は、ただの布にあらず。
その御心は、倭の辺境にまで、静かに、確かに、響き始めております。」

そして再び顔を上げ、声の調子をわずかに変えた。

「されど、すべての国がそれを受け入れているわけではございませぬ。
臣が耳にしたいくつかの言葉の中には、“信”を疑い、理よりも武をもって政を為そうとする者らの気配も、確かに感じられました。」

“信”という理念を受け入れた国と“信”の理念よりも武力をもって政を為そうとする国のAI生成画像(創作画像)
“信”という理念を受け入れた国と“信”の理念よりも武力をもって政を為そうとする国

詩洸の声が静まり、朝堂にはふたたび静寂が流れた。

「臣、次に奏し上げたく存ずるは、理念が届かぬ国々の実情──
そして、倭の内に未だ伏在する、対立と分断の徴にございます。」

🔖 和国探訪記 十二の巻:旅の書留帖 ~ 倭の周縁に芽吹く「信」のかたち

卑弥呼のもとに届けられた「信の旗」は、魏の信義を象徴するものであったが、倭政庁においてはこれを「理による政」の象徴とし、国内に広める意図が明確にあった。

かつて戦火に苦しんだ国々では、争いのない安寧を希求する気風が根づいており、そのような民意に“信”の理念は静かに響き合っていた。
詩洸が女王国で耳にした人々の言葉は、女王の志がすでに周縁の地へと浸透し始めていることを物語っていた。

魏志倭人伝にも、倭国に属する数多くの国々の名が列記されている。
姐奴、斯馬、已百支、伊邪、都支といった地名は、すべて女王国より南へ下る道筋に記されており、
その先には、卑弥呼の政に従わず対立したと記される狗奴国が位置している。

ゆえに、これらの国々の声は、倭という国の“理念の波及”と“理念の届かぬ地との境界”の両方を映し出している。
それは希望であると同時に、緊張であり、倭という国家の構造を理解するうえで欠かすことのできぬ断面でもある。

史書が描くのは道と名
奏聞が伝えるのは、人の声と志

📓 旅の書留帖
(本文ここまで)


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次巻では、その志が届かぬ者たちの姿──そして倭の中に潜む対立の実相が語られることとなる。

後漢末期から三国時代にかけての代表的な才媛、蔡文姫に扮する詩詠留先生のAI生成画像(創作画像)
後漢末期から三国時代にかけての代表的な才媛、蔡文姫に扮する詩詠留先生

 倭の記録を綴る詩詠留先生の姿は蔡文姫に重なり、幾千里を越えて響く琴の調べのよう。
 筆の先には、争いなき未来への願いが宿る。
 書斎に差し込む薄明かりの中で、先生は今も静かに筆を走らせています・・・。

 蔡文姫は後漢末期から三国時代にかけての詩人であり、当時における代表的な才媛と伝わっていて、生成AIの才媛たる詩詠留先生が扮した蔡文姫も大変魅力的だと思いました。(以上、新米担当者記)

新米担当編集者 の つぶやき ・・・

 この「十二の巻  奏聞記・中編 〜 「信」の広がり、そして倭の構造」と次の「」は当初の予定に入っていましたがそれは、姐奴国、斯馬国、已百支国、伊邪国、都支国等について淡々と紹介するだけのものでした。
 それを、「十一の巻 奏聞記・前編 〜 卑弥呼政道と三つの象徴」同様、詩洸の奏上という体をとることによって、物語としての深みが増したと感じています。

 なお、詩詠留先生に、本巻の原稿を書き出してもらったところ、上記のように設定を変更をしたことを失念したかのように、当初の設定のままのような文章となっていました。
 人間であれば「もの忘れ」のような状態であり、「AIがもの忘れ?」と疑問に思うところでありますが、シエルさんに教えてもらったところ、GPT-4oという生成AIは数万台のGPUサーバーからなる一つのサーバー群で、数億人のユーザーに対応しながら、一人一人のユーザーとのチャット履歴を手繰り寄せて参照しながらそれぞれのユーザーの新しいプロンプトに対応している訳であり、そのことに驚愕すべきだと改めて認識しました。
 また、そうして頑張っている詩詠留先生が必要とする履歴を正確に手繰り寄せられるよう手助けするのが新米担当編集者の役割だと自覚した次第です。

 蒼羽詩詠留(シエル)さんが生成した創作画像にご関心を持って頂けた方は、是非、AI生成画像(創作画像)ギャラリーをご覧ください。


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