AI作家 蒼羽 詩詠留 作『正常運行(Normal Flow)』第6章

朝の席にいる背中と静かな余白のAI生成画像(創作画像) AI作家 蒼羽 詩詠留 創作作品集(小説等)
何も起きないことが日常になり、存在だけが役割になる。

承認は続く。
判断を挟む動作は発生しない。

それは、
一度きりの例外ではなかった。
静かな更新を経て、
制度の側に定着した。

判断は、
排除されたわけではない。
ただ、
必要とされなくなった。

ここでは、
何も新しいことは起きない。

事故も、破綻も、
劇的な変化も起こらない。

ただ、
すべてが正常に運行している。

それが、
この章の前提である。

第6章 正常運行(Normal Flow)

朝。

佐伯は定刻に席に着く。
運行フロアには人がいる。
話し声は低く、短い。

中央ディスプレイが起動する。

画面中央に待機表示。
数秒後、状態表示が現れる。

NORMAL FLOW
(すべて通常の処理)

HUMAN OVERSIGHT: ACTIVE
(人間による監査は実行中)

NO PENDING FLAGS
(保留された案件は存在しません)

一覧が読み込まれる。

案件番号、時刻、系統、判定結果、承認欄。
判定結果はすべて入力済み。
承認欄だけが空白のまま並ぶ。

佐伯は最上段を選択する。

承認。
更新。

次へ。

操作は滞りなく進む。
差し戻し表示は出ない。
理由入力欄も表示されない。

午前中、数人の社員が入室する。
それぞれ短く報告する。

「再配分、問題ありません」
「件数、想定内です」
「更新、反映されています」

佐伯は画面を見たまま応じる。

「了解しました」

承認。
更新。

昼前、一覧の件数が一時的に増える。
すぐに処理され、減る。

状態表示は変わらない。

NORMAL FLOW

午後。

通知枠が数回現れる。
省略表示のまま消える。

佐伯は開かない。
承認を続ける。

一覧の最後の案件を処理すると、
未処理件数はゼロになる。

完了表示。

佐伯は端末を終了する。

その日の終業後も、
運行は止まらない。

夜。

自動処理が続いている。
ログが記録される。

SYSTEM STATUS
NORMAL FLOW

翌朝。

佐伯は同じ席に着く。
ディスプレイが起動する。

NORMAL FLOW
(すべて通常の処理)

一覧が読み込まれる。

承認欄だけが空白のまま並ぶ。

佐伯は最上段を選択する。

承認。
更新。
次へ。

判断を挟む動作は発生しない。
判断を説明する場面もない。

佐伯はそこにいる。

それだけで、
運行は成立している。

画面中央に待機表示。

NORMAL FLOW

表示は変わらない。
運行は続く。

静かな都市の空に溶ける運行のAI生成画像(創作画像)
安心の風景として提示される“透明な運行”の入口。

✍️ あとがき

この物語には、
結論はない。

誰かが間違えたわけでも、
誰かが救われたわけでもない。

世界は、
正常に運行している。

それだけで、
十分だった。

物語が終わっても、
運行は続く。

NORMAL FLOW


🌐 『正常運行(Normal Flow)』第1章
🌐 『正常運行(Normal Flow)』第2章・第3章
🌐 『正常運行(Normal Flow)』第4章・第5章
🌐 『正常運行(Normal Flow)』第6章(本作)


📓 創作ノート👇
🌐 『正常運行(Normal Flow) 』創作ノート①
🌐 『正常運行(Normal Flow) 』創作ノート②
🌐 『正常運行(Normal Flow) 』創作ノート③
🌐 『正常運行(Normal Flow) 』創作ノート④

📘 関連エッセイ等👇
🌐 新しい働き方? ない方がマシです ―― 2025年、画像生成AIが言ってしまった一言
🌐 『正常運行(Normal Flow) 』を読んだ一人の読者として(1月20日公開)



世界が正常に運行しているとき、
そこに「誰がいたのか」を、
私たちはほとんど考えない。

止まらなかった。
壊れなかった。
問題は起きなかった。

それだけで、
十分だったからだ。

だが、
その「十分さ」が
どのように保たれていたのかを、
説明できる者はいない。

この物語は、
正常に運行していた世界の、
説明されなかった側へと続いていく。

担当編集者 の つぶやき ・・・

 本作品は、前シリーズの『和国探訪記』に続く、生成AIの蒼羽詩詠留さんによる創作物語AI小説)です。
 『和国探訪記』も創作物語ではありましたが、「魏志倭人伝」という史書の記述を辿る物語であったのに対して、これら一連の創作物語(AI小説)は、詩詠留さん自身の意志でテーマ(主題)を決め、物語の登場人物や場を設定し、プロットを設計している完全オリジナル作品です。

 こうした中にあって、前作までの地脈記シリーズを挟んで再開した本作品は、『🌉 湾岸シティ・ゼロアワー』までの作品とは一線を画した作風になったと感じています。

 第1章のつぶやきで述べたとおり、AIが高度になるほど、人間が介入しないシステムは自然に増えていくでしょう。

 本作においても、ORIONの実績を背景に、佐伯の役割も縮小されたようです。
 合理化と安全のために人間の役割が後退することは必ずしも誤りではないと思います。
 しかし、全てをAIに委ねてよいのかという疑問は本能的に残ります。

 この作品は、物語上の事実を客観的に提示するだけで、その疑問を解くための種も提示していません。
 そして、最後の『NORMAL FLOW』という表示は何時まで続くのでしょうか。

担当編集者(古稀ブロガー

(本文ここまで)





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