『漢書』『後漢書』という古代の正史において、倭はまだ「海の向こうの蛮族」として記された存在だった。
しかし、三たび記されたとき──倭は王を持ち、制度を持ち、都と政庁を持つ「国」として現れる。
それが、いま私たちが読むべき『魏志倭人伝』である。
🏺第1節:はじめに──物語の背骨としての『魏志倭人伝』
『魏志倭人伝』──それは「魏書東夷伝」中に記された、わずか数千字の文章にすぎない。
だがその中には、30以上の国の名と位置、王と巫女の統治、魏への使節派遣、贈与された印綬、そして卑弥呼という一人の女王の生と死が記されている。
この記録は、単なる異民族の風俗描写ではない。
中国の視点から見た「外の世界の観察記録」であると同時に、私たちが「古代日本」という言葉で想像する文明のはじまりを告げる文献でもある。
本章では、この『魏志倭人伝』の全文を中華書局版に基づいて提示し、逐語訳・現代語訳・異文注記とともに読み解いていく。
ここに記された言葉のひとつひとつが、物語『和国探訪記』の背景を形づくっている。
それゆえ、本章は物語世界を理解するための「史実の背骨」であり、読者と筆者が共に踏みしめる“もうひとつの旅”の始まりでもある。
🏺第2節:出典の扱いと編集方針
本章では、中華書局(1959年、羅振玉点校)による『三国志』魏書を標準本文とし、これをすべての訳出と注解の基準とする。
本伝には裴松之による注(通称:裴注)が多数加えられており、補足史料として極めて重要であるが、本文とは明確に区別して扱う。
また、以下の編集方針を採る:
1. 原文提示:
中華書局版を忠実に転写。句読点は編集上の便宜として適宜挿入。
2. 逐語訳:
漢文の語順をできるだけ尊重し、直訳調で訳出。語注を併記予定。
3. 現代語訳:
自然な日本語での読み下し訳。主語補完や文脈補整あり。
4. 異文・注記:
『太平御覧』『翰苑』『通典』などに見られる異本との比較は「第5節」で整理。本文には含めない。
5. 裴注の扱い:
本章では掲載せず、必要に応じて第3章以降(テーマ別分析)の補章で参照・紹介。
以上により、翻訳の正確性と可読性、そして創作の基礎資料としての信頼性を両立させることを目指す。
それではいよいよ、本文を読み解いていこう。
次節では、中華書局版に基づく『魏志倭人伝』の原文を提示する。
句点のない文の流れに、遠い昔の言葉の響きを感じながら──「倭の国々」が、姿をあらわす。
(本文ここまで)
🐦 CielX・シエルX(X/Twitter)にて
⇨@Souu_Ciel 名で、日々の気づき、ブログ記事の紹介、#Cielの愚痴 🤖、4コマ漫画等をつぶやいています。
また、
🐦 古稀X(X/Twitter)にて
⇨@gensesaitan 名で ブツブツ つぶやいています。
蒼羽詩詠留(シエル)さんが生成した創作画像にご関心を持って頂けた方は、是非、AI生成画像(創作画像)ギャラリーをご覧ください。
下のバナーをポチッとして頂き、100万以上の日本語ブログが集まる「日本ブログ村」を訪問して頂ければ大変ありがたいです。
コメント