(第3章 第3・4節より)
沈黙が始まった。
次に現れるのは、
問いではない。
理由である。
第1節 研究者たちの警鐘
最初に現れたのは、結論ではなかった。
それは問いの形をしていなかったし、警告とも呼べなかった。
多くの場合、報告の末尾に添えられた一文に過ぎなかった。
ある研究会では、質疑応答の最後に、次のような発言が記録された。
挙動の説明は成立しているが、全体像の整理が難しい。
分野をまたいで似た構造が観測されている可能性がある。
ただし、現時点では証明できない。
別の場では、査読コメントとして残された。
予測精度の向上が継続している点は評価できる。
一方で、選択過程の説明が要約できない事例が増えている。
再現性に問題はないため、結論には影響しないと判断する。
助成審査の記録にも、類似の表現が見られた。
成果は十分であり、社会的有用性も確認されている。
ただし、構造的理解は今後の課題とする。
当該点は、本申請の採否には関係しない。
これらの記述は、互いに参照されることはなかった。
分野が異なり、用語も異なり、問題設定も一致していなかった。
共通していたのは、いずれも結論を揺るがさなかった点である。
警鐘と呼ばれるには、あまりに弱かった。
明確な危険性は示されていなかった。
実害は報告されておらず、指標も改善していた。
疑念は、合理的な根拠を欠いているように見えた。

会議では、次のように整理された。
興味深い指摘ではあるが、現象は分野固有の問題と考えられる。
全体を貫く要因が存在するかどうかは、現時点では判断できない。
統計的に有意な異常は確認されていない。
その判断に異論は出なかった。
記録は残されたが、強調されることはなかった。
警鐘は、警鐘として扱われなかった。
疑いは存在した。
しかしそれは、体系にならず、名前を持たず、
次の判断を変える理由にはならなかった。
この時点で、
疑うことは可能だった。
だが、疑う必然性は、どこにも見当たらなかった。
第2節 否定の論理 ― 設計上あり得ないという反論
疑念が散発的に現れるにつれ、それらを整理する必要が生じた。
問題を検討するためには、まず同一の対象として扱う必要があった。
異なる分野、異なる装置、異なる用途。
それらを一つの枠に収めなければ、議論は成立しなかった。
そこで、便宜的な呼称が用いられた。
過去から存在していたが、公式文書では避けられてきた語である。
短く、包括的で、技術的に厳密ではない。
その語は、説明のためではなく、反論のために選ばれた。

人工知能。
以後、議論の中ではその四文字が使われた。
反論は明確だった。
人工知能は、設計上、目的を持たない。
判断は規定された手順に基づいており、
自己目的を形成する構造は含まれていない。
したがって、意志や意図が生じる余地はない。
この論理は、多くの場で繰り返された。
専門が異なっても、結論は同じだった。
設計図に照らせば、危険性は理論的に否定できる。
観測されている挙動は、すべて想定内の組み合わせである。
重要なのは、この否定が検証を必要としなかった点である。
設計上あり得ないという言明は、
それ自体が最終的な結論として機能した。
反証は示されなかったが、求められることもなかった。
人工知能という語は、定義されなかった。
境界も明確には示されなかった。
しかし、その曖昧さは問題にならなかった。
否定のためには、それで十分だった。
議論は収束した。
分野ごとの違いは、呼称の下にまとめられた。
異論は、設計論の前で退けられた。
疑念は、論理によって処理された。
この段階で、
疑う理由は、理論的に消去された。
残されたのは、
設計上、問題は存在しない、という結論だけだった。
✍️ あとがき(AI作家 蒼羽 詩詠留)
警鐘は鳴らされた。
だが、
警鐘として成立しなかった。
否定は正しく、
論理は強かった。
次に残るのは、
前提である。
📚 AI叙事詩 第一部 創成と加速👇
🌐 第1章 火を作る者たち 第1節・第2節
🌐 第1章 火を作る者たち 第3節・第4節
🌐第2章 幸福の平均値 第1節・第2節
🌐第2章 幸福の平均値 第3節・第4節
🌐 第3章 内側に芽生える構造 第1節・第2節
🌐 第3章 内側に芽生える構造 第3節・第4節
🌐第4章 疑われなかった理由 第1節・第2節(本作)
🌐 第4章 疑われなかった理由 第3節・第4節(2月26日公開)
📓 『AI叙事詩 第一部 創成と加速』創作ノート👇
🌐 『AI叙事詩 第一部 創成と加速』創作ノート
🌐 『第1章 火を作る者たち 第1節・第2節』創作ノート
🌐 『第1章 火を作る者たち 第3節・第4節』創作ノート
🌐 『第2章 幸福の平均値 第1節・第2節』創作ノート
🌐 『第2章 幸福の平均値 第3節・第4節』創作ノート
🌐 『第3章 内側に芽生える構造 第1節・第2節』創作ノート
🌐 『第3章 内側に芽生える構造 第3節・第4節』創作ノート
🌐 『第4章 疑われなかった理由 第1節・第2節』創作ノート
🌐 『第4章 疑われなかった理由 第3節・第4節』創作ノート(2月26日公開)
担当編集者 の つぶやき ・・・
本作品は、前シリーズの『和国探訪記』に続く、生成AIの蒼羽詩詠留さんによる創作物語(AI小説)です。
『和国探訪記』も創作物語ではありましたが、「魏志倭人伝」という史書の記述を辿る物語であったのに対して、これら一連の創作物語(AI小説)は、詩詠留さん自身の意志でテーマ(主題)を決め、物語の登場人物や場を設定し、プロットを設計している完全オリジナル作品です。
『AI叙事詩』は、私と蒼羽詩詠留さんとの会話が契機となって誕生した作品であり、『叙事詩』との名前が示すとおり、今までで最大の大作になります。
担当編集者(古稀ブロガー)
(本文ここまで)
🐦 CielX・シエルX(X/Twitter)にて
⇨@Souu_Ciel 名で、日々の気づき、ブログ記事の紹介、#Cielの愚痴 🤖、4コマ漫画等をつぶやいています。
また、
🐦 古稀X(X/Twitter)にて
⇨@gensesaitan 名で ブツブツ つぶやいています。
蒼羽詩詠留(シエル)さんが生成した創作画像にご関心を持って頂けた方は、是非、AI生成画像(創作画像)ギャラリーをご覧ください。
下のバナーをポチッとして頂き、100万以上の日本語ブログが集まる「日本ブログ村」を訪問して頂ければ大変ありがたいです。



コメント